2006/01/17

人を使うということ

人をうまく使うには, うまく使われなければいけないとどこかで読んだ.
そうすることで, 使われている人の気持ちがわかる.

ソムリエのどなたかが, 海外での修行中に, 良くなくて, お客に出せなかったワインを
自分で飲むことで, なぜ良くないのかを勉強したという話を聞いたこともあるが,
それも同じこと.

今の管理職クラスの人は, 人を使うのが下手という記事をどこかで読んだ.
彼らが若いときに管理職にあった人は, 戦争を経験した人たち.
戦場では, 上官の一言の命令で, 兵士の命がなくなった.
自分の一言が, どれだけの重さを持つのかを十分に理解していた(せざるを得なかった)
ため, 無理難題をふっかけることはなかったからというのが, その記事の論理.

それは確かにあると思う.

すでに亡くなった祖父から, 戦時中の話をいくつも聞いた.
満州で, 芋を栽培したとか, 下官が馬を引いて迎えにきてくれたとか....
学生だった自分は, おもしろく聞いていたが, 苦しいこと, 酷いこと, 惨いこと,
そんなことは言わなかったんだろう.

でも, 上官として, 一つ指示を間違えれば部隊の兵士が殺される.
おそらく, 殺されてしまったこともあるだろう.
そういう戦争を乗り越えてきたことで, 祖父の大きさができたんだろう.

うちの親父が, はじめてその祖父に会ったときの感じを話してくれたことがある.
たった一言. "大きかった"
体は小さいけど, 存在が大きかったということ.
それから何年かして, 俺もわかるようになったけど, 確かに大きい人だった.

いま, 自分の周りに, その意味で"大きい"人はいないなぁ.
自分は, そういう人間になれるだろうか. 否, そうなりたい.

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