2007/09/18

歎異抄

ひろ さちやさんの「すらすら読める 歎異抄」を読みました.

結構おもしろかったです.
親鸞聖人の観念が少し見えたような気がします.

平生業成(へいぜいごうじょう)で, 他力の信心を獲得した瞬間,
日常生活の中で, 往生の原因が完成し, 極楽往生が定まる.
この世にいながらにして, 極楽世界の一員になれる.
とはいうものの, 極楽往生が定まったとしても, それを喜び,
すぐにでもお浄土に行きたいと思うはずなのに, そうは思わない.
それは, 煩悩がそうさせている. 娑婆世界に対する執着心がそうさせている.

浄土に行けることが確定しても, 悟りを開くのは浄土に行ってから.
娑婆世界では, 悟りは開けない.
ひろ さちやさんは, 平生業成を"心の中にお浄土を持つこと"と言い換えている.
心の中にお浄土があれば, この世の比重が小さくなり(この世はある意味どうだっていい),
この世を絶対視する必要がなくなる.
お浄土に対してこの世の比重は軽いので, この世は"煩悩のままに生きていい"

(親鸞聖人が尊崇した)聖徳太子の言葉
世間虚仮 唯仏是真 (せけんこけ ゆいぶつぜしん)
この世間は"虚"であり"仮"であり, ただ仏だけが"真"である.
心の中にお浄土を持つとこの認識になるのでしょうとのこと.

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